Published on 3月 24th, 2013 | by スマホ研究員11号
スタートアップ企業訪問 Vol.6 『LisB』 横井社長
さて、今回は弊社にご来社頂きました『LisB』の横井社長のインタビューです。
LisBさんでは、様々なアプリをリリースしていますが、
一番有名なのは、『Feel on!』。
Twitterクライアントとして2011年にリリースされた
アプリですが、独自開発された“感情解析エンジン”という技術を使い
「愛情」「喜び」「興味」「期待」「悲しみ」「驚き」「怒り」「その他」を分類。
感情を表現するコミック風なイラストが、日本だけでなく海外でもウケて、
現在は世界規模で展開しているアプリです。
また、Twitterだけでなく、他のメールやソーシャルメディアと連携された
『Feel on! POST』は気軽にカードが送れるアプリとして人気です。
本日は、アプリとアプリ開発企業の現状なども聞いていきます。
横井社長宜しくお願いします。
①アプリ「Feel on!」の売りはなんでしょうか?
横井社長:
『感情解析エンジン』を搭載した初のアプリというところです。
人の感情を、発言された言語から解析しその人の感情に合わせた
イラストで表現するという、見て楽しめるアプリです。
コミック風なインターフェイスが日本人以外の人にも受け入れてもらい
全世界で30万ユーザーの登録を頂いています。
ただ、課題がありまして。。。
30万ものユーザーがいても正直マネタイズするまでは、至っていません。
経営サイドとしては、“コンスタントに売上が上がる仕組み”の
ビジネスモデルに転換を図る時期に入ったかなと、感じています。
“アプリ”だけで会社を継続させていくには、我々にとっては
とても厳しく、実力不足だったと痛感しています。
ならば、ここまで培った技術やその延長線上にあったアイディアや技術を
『受託』というカタチで活かし、会社を強くしていくという方向に思考を拡張しました。
②受託業務について
横井社長:
2月末に『ゆるキャラPOST』がリリースされました。
このアプリは、『ゆるキャラグランプリ』を実施している
NTTタウンページ様の受託(OEM)として制作しました。
くまモンを始めとするご当地キャラクターを使用し
弊社が初めて『Feelon POST』のOEMとして供給した仕事です。
タウンページの会員入会促進を狙いとして実現しました。
ゆるキャラでコミュニケーションを楽しめる、地域活性化にもつながるアプリに仕上がっています。これから随時キャラを追加し、全国47都道府県のゆるキャラ全てが登場していきます。
弊社は、今回の『ゆるキャラPOST』を皮切りに益々B向け案件業務を
拡大していく予定です。
「受託」と言っても、言われた通りに作るだけではなく、お客様の要望を傾聴して
本質をつかんだ上で、我々ならではのご提案をするように心掛けています。
我々は前職時代からコンシューマ向けプロダクトの企画開発を行っており、
ヒット商品にも関わってきました。
企画、マーケティング、デザイン、コンテンツ制作、開発、保守サポート、リリースのお手伝いまで一気通貫で担えるファンクションがあります。
他社ではなくLisBに頼みたいと思ってもらえるご提案をするようにしています。
これを僕らは「攻める受託」と呼んでいます。
始めたばかりですが、C向けのみならず受発注管理システム等、B向けのシステムの開発もお手伝いしており、同じお客様から何度も頼みたいと仰っていただけるような信頼関係を構築出来るようになりました。
③今後の展開について
横井社長:
今年は、まずは単年度黒字化です!
第二創業期と位置づけ、売上利益にこだわりたいと思います。
今のモデルは、従来から大きく舵を切った感覚はなく、少しだけ意識とKPIを変えただけです。人員も増やしていませんし、人の入替もしていません。
これが正解だというつもりはありませんが、僕たちの場合は、売上や利益の積み上げの方がユーザー数増加やアクティブ率増加よりも現実的な成長を感じられました。
「Feel on!」による感情エンジン技術やノウハウを蓄積でき、またある程度の知名度を得たので、今後はこれをお金に換えていきます。
起業=「Change The World」に心から共感していましたし今も想いはあります。
なので、「Feel on!」やその他の自社サービスももちろん今まで通り継続し、ユーザーの期待に応えていきたいと思っています。
しかし、世界を変える前に足腰を強くするためにも、しっかり商売します!
このスタートアップ企業訪問も4社を越え、「アプリでのマネタイズが
非常に厳しい部分もあるな。」と個人的には感じていたので
横井社長の言葉には説得力がありました。
AppStoreで@85のアプリが1万ダウンロードされても合計85万円。
これでは、開発費も賄えないのでは?
アプリ開発企業の現状を伺ったインタビューとなりました。
今後は、“マネタイズ”というテーマに直面する企業が
どのように克服するのか?その辺も伺っていく取材を心がけたいです。
④社長のTop画面拝見
横井社長:
今とても重宝しているアプリは『Reflector』です。@1,200
アプリのプレゼンや、プロトタイプを見せる際に
この『Reflector』を使えば、自分のiphoneとMacを同期させ
見せることが出来るアプリです。
少人数でのミーティングの時に使えるアプリで、役立っています。
ほら、Macの向きを相手に向けた状態のままなので、
画面に集中してもらえる点がいいですね。
目の前で実践して頂きましたが、本当にこれ便利ですね。
ビジネスマンに必須なアプリです。
このようなビジネスアプリは根強い人気が出るのではないでしょうか。