Published on 7月 31st, 2013 | by 杉山 拓也(すぎやま たくや)
激戦!「写真デコアプリ」タイトルから学ぶ – DL底上げTips02
7月29日に放送された「深イイ話」巷で話題の携帯アプリ一挙紹介SP第2弾! の影響は相当大きかったようですね。
翌日の状況をまとめていた記事を発見したのですが、大量のダウンロードでサーバが重くなり、☆1が大量につく、とは笑えない災難ですね・・・。
「テレビ紹介でアクセス100倍超 ミクシィ「nohana」、2日経っても不安定な状態続く」(ITmedia)
さて、
前回は、ASOの基本「どこをチューニングすればいいのか?」という部分と、「キーワードはどうやってひねり出したらいいのか?」について触れました。
前回記事:「iPhoneアプリのダウンロードを底上げするTips01」
キーワードの考え方の続きで、実際にAppStoreに登録されているアプリのタイトルを見ながら、各社が「どんなキーワードをピックアップしているか?」と、「どんな風にタイトルに盛り込んでいるのか?」を研究してみたいと思います。
御社のアプリタイトルをつけるときの参考にしてください。
激戦の女の子向け「写真デコアプリ」はASOでも激戦区 |
iPhoneのアプリには、ゲーム以外でもいくつか激戦区があります。
iTunes内で規定されたカテゴリ、というわけではなく、レシピ系アプリやタスク管理系アプリ、名刺管理系アプリなど、ターゲットユーザーやニーズで出来上がった競合アプリの固まり、みたいなカテゴリが出来上がっています。
今回取り上げるのも、女の子向けの「写真デコアプリ」というカテゴリです。
後ほど詳しく触れますが、1600万ダウンロードのCommunity FactoryのDECOPICを筆頭に、600万ダウンロードのpapelook、550万ダウンロードのGirls Cameraがひしめき合っています。
PCのiTunesでざっと見ても、早速、タイトルが盛大に省略されています。
「GirlsCamera:簡単に写メをブリク…」「コラージュ・写真切り抜きデコは…」
それだけ、タイトルが長い、ということですね。
iPhoneでもこんな感じにタイトルは省略されます。
「GirlsCamera:簡単に写メをプリクラ系…」
この時点で、DECOPICやpapelookなどは、元々のアプリのタイトル(固有名詞)が省略されて「かわいい!&おしゃれ!」とか「コラージュ・写真の切り抜き・デコは…」が全面的に押し出されています。
これはASO的な作戦、というよりもユーザーに対して固有名詞を見せていくよりも、「かわいい」アプリや、「コラージュ・切り抜き」みたいなワードを積極的に見せて、探している機能やコンセプトでダウンロードしてもらうための工夫と思われます。
ユーザーは、かわいいアプリが欲しい、コラージュが出来るアプリが欲しいのだから、それを見せていこうという意図でアプリの固有名詞としてのタイトルをあえて中盤や後半に持っていくこともあります。
実際に、タイトルとキーワードを見てみる |
では、各アプリのタイトルを見てみます。
同時に、タイトルからアプリが意識していると思われるキーワードを推測してみましょう。
まずは、なんといっても1600万ダウンロードを獲得している、Community FactoryのDECOPIC。
<タイトル>
かわいい&おしゃれ!文字入れや写真加工はDECOPIC!無料の可愛いスタンプ・フレーム・フィルタでオシャレにデコれるカワイイカメラアプリ
タイトルを見る限りだと多分、意識しているキーワードはこちらです。
<タイトルから推測されるキーワード>
「かわいい,おしゃれ,写真,加工,無料,可愛い,スタンプ,フレーム,フィルタ,オシャレ,デコ,カワイイ,カメラ,アプリ」
“かわいい”に対するこだわりが非常に強いことで有名ですが、キーワードにも3種類のカワイイがきちんと入っている徹底ぶり。
・かわいい
・可愛い
・カワイイ
ひらがな、カタカナ、漢字、どこから検索されてもOK、なつくりになっています。
続いて、DGから資金調達したニュースも記憶にあたらしい600万ダウンロードのpapelook。
<タイトル>
コラージュ・写真切り抜きデコはpapelook!無料の画像加工アプリ
<タイトルから推測されるキーワード>
「コラージュ,写真,切り抜き,デコ,無料,画像,加工,アプリ」
きちんとASOを意識したタイトルをつけています。
まだタイトルに入れられるキーワードには余裕がありそうです。
papelookと接戦の550万ダウンロードを突破した、GirlsCameraはどうでしょうか。
<タイトル>
GirlsCamera:簡単に写メをプリクラ系に顔デコれて背景や写真の切り抜きも可能なカワイイ編集系カメラアプリ
<タイトルから推測されるキーワード>
「簡単,写メ,プリクラ,顔,デコ,背景,写真,切り抜き,カワイイ,編集,カメラ,アプリ」
プリクラや、背景、といったキーワードが網羅されています。
タイトルはキーワードを意識しているため、日本語としては若干無理があるかな?というつくりになってきています。
アプリ名がGirls Cameraということで、とても分かりやすいのと、「Girls,Camera」と、実はキーワード2つの組み合わせにもなります。
続いて、150万ダウンロードのDecoAlbumのタイトルがすごいことになっています。
<タイトルから推測されるキーワード>
「コラージュ,切り抜き,フィルター,デコ,写真,日記,簡単,思い出,旅行,料理,ペット,子供,画像,写メ,プリクラ,スクラップ,絵文字,フォント,プリ帳,育児,アルバム,切り取り,カメラ」
タイトルから推測されるキーワード、というよりも、タイトルそのものがスペース区切りのキーワードのようになっています。
22ものキーワードが盛り込まれています。
ASO的にはいろんなワードで検索してもらえるのでいいのですが、多くの現場では、なかなかここまで割り切ってキーワードを盛り込めないのではないでしょうか。
最後にDecoBlend。
<タイトル>
写真加工カメラアプリは無料のDecoBlend!画像をコラージュ、フィルター、文字入れや切り抜きでプリクラ風に編集。写メを切り取り、スタンプやフレーム&フォントでデコ加工!
<タイトルから推測されるキーワード>
「写真,加工,カメラ,アプリ,無料,画像,コラージュ,フィルター,文字入れ,切り抜き,プリクラ,編集,写メ,切り取り,スタンプ,フレーム,フォント,デコ,加工」
優等生的なタイトル。
きちんと日本語っぽく構成されていながら、19もキーワードを埋め込んでいます。
以上、5つのアプリを並べて見ましたが、各社ASO対策をかなりがっちりやっていることがタイトルを見るとわかります。
競合の分析もきちんとしているようで、キーワードの多くがかぶっていることも見てとれました。
ウェブのSEOで言うところの、ビッグワードがAppStore内でも出てきています。
もちろん、タイトルだけで大量のダウンロードが獲得出来ているわけではなく、アプリそのもののつくりや、レビューの獲得の仕方、直近のダウンロード数を維持する事などが合わさって、順位が出来ているのですが、結果的に代表的なアプリは実はASO対策をきちっとやっていた、ということもお分かり頂けたのではないかと思います。
Tips02のまとめ |
ここで少しまとめてみたいと思います。
1.爆発的なDL数を持っているアプリでは、当然のようにASO対策をしている
2.アプリ名(固有名詞)はタイトルの中盤に持ってきてしまっても問題ない
3.タイトル欄には20近いキーワードが盛り込める
4.上手いアプリでは、ひらがな・カタカナ・漢字にもタイトル内で対応している
5.激戦区ではどのアプリでも組み込まれているビッグワードが既に生まれている
最後にちょっと書きましたが、ASOそのものは爆発的なダウンロードを生む、というよりも毎日入ってくるベースのダウンロード数をつくるための施策です。
とはいえ、結果的に数百万単位のダウンロード実績のあるアプリの多くが、標準的にASO対策をしているのも事実です。
ASOは必ずやっておいて、その上で広告を出稿してダウンロード数を確保し、レビューを獲得するための施策を打って、ASOの検索順位もブーストがかかる、というシナジーが生まれてるのだと考えています。
あと、今回紹介した中にもありましたが、あまりにキーワードだけを羅列したようなアプリが増えてくると、今後タイトルでリジェクトされる例が増えるはずです。
既にUSサーバでは、きちんと文章として成り立っているタイトルを付けても、「キーワードはkeywordsにいれてね」ということでリジェクトされた事例もあります。
とはいえ、イタチごっこになってしまうとは思いますが、リジェクトされて時間をムダにしないためにも、せめて日本語として読める程度のタイトルを心がけたいものです。
ASO施策をしたときには、検索順位のチェックもお忘れなく。
AppStore内検索順位表示サービス「AppSEO」