東南アジア myanmar01

Published on 7月 10th, 2014 | by 研究員No.7110

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ミャンマー人は日本に旅行に行ったら、どこに行って何をしたい?

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『東南アジアビジネス情報 from アジアクリック』

今回はミャンマーの記事をご紹介します。

“ミャンマー”に関して知っていることはありますか?
と聞かれると、なかなか答えられないな、というのが正直な所。

まだまだ情報が少なく、未知の部分が多いという印象のミャンマーの人にとって、日本への旅行とはどんなものなのでしょうか?

ミャンマーのヤンゴンにいらっしゃる特派員、後藤さんの記事『ミャンマー人は日本に旅行に行ったら、どこに行って何をしたい?』でその辺りを詳しくご紹介します。

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みなさん、ごぶさたしています。ヤンゴンの後藤です。

今回は「日本に旅行に行ったら、どこに行って何をしたい?」という質問をミャンマー人に聞いてみた。

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↑↑↑ミャンマーには巨大な大仏が多い。写真はモンユワにある全長101mの寝釈迦

日本語クラスのメンバーにインタビューをしてみると…

話を聞いた人たちはみな私の日本語の生徒たち。
実は、私はヤンゴンで日本語を教えている。といっても、ボランティアで自宅で細々とやっているだけだ。

今回聞いたのは女性6名。
別に女性限定のクラスではないのだが、今いる生徒たちがみな女性なのだ。
以前は男性も何人か来ていたが、みな途中で来なくなった。
東南アジアはどこも共通しているかもしれないが、男性よりも女性のほうが根気強くて勉強熱心だ。

生徒A(26才、旅行会社勤務、日本語検定2級)
・富士山に登りたい
・北海道に行って雪を見たい
・100円ショップで買い物をしたい
・秋葉原に行ってパソコンや携帯を買いたい

生徒B(33才、旅行会社勤務、日本語検定N3)
・鎌倉の大仏に行きたい
・東京タワーに行きたい
・ディズニーランドに行きたい

生徒C(27才、旅行会社勤務、日本語検定2級)
・家族で旅行したい
・新幹線に乗りたい
・鎌倉の大仏に行きたい

生徒D(27才、縫製会社勤務、日本語検定2級)
・鎌倉の大仏と海に行きたい(14才からの夢)
・富士山に登りたい
・桜の花見に行きたい
・東京タワーに行きたい
・新幹線の乗りたい
・モノレールに乗りたい

生徒E(36才、大学教員、日本語4級レベル)
・桜の花見に行きたい
・富士山に登りたい
・鎌倉の大仏に行きたい

生徒F(41才、大学教員、日本語4級レベル)
・富士山に登りたい
・桜の花見に行きたい
・日本庭園を見たい
・日本食をたくさん食べたい

トップ3は富士山、鎌倉の大仏、花見!富士山人気の理由は?

以上のような結果になった。ここでベスト3を見ると、

富士山 4人
鎌倉の大仏 4人
桜の花見 3人

という結果になった。同率首位で『富士山』と『鎌倉の大仏』になった。

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↑↑↑ミャンマー最北部カチン州の村から雪山を望む。

ミャンマーでも富士山はダントツの知名度で、FUJI と名前の付くミャンマー製の商品も多い。

富士山は雪を抱く優雅な姿が人気だが、実はミャンマーでも雪山がたくさんある。
最北部はヒマラヤ山脈に接していて5千メートル級の山々が連なっている。
東南アジア最高峰のカカポラジもここにある。ミャンマー人でも富士山は知っていてもカカポラジのことを知らない人が多い。

『鎌倉の大仏』は仏教徒ならでは。ある「伝説」も

同率首位の『鎌倉の大仏』はミャンマーならではの答えだ。

仏教徒が多いミャンマーでは、海外でも仏教寺院にはよく行くし、大仏も人気だ。

でも、なぜこれほど鎌倉の大仏が有名になったのか、もうひとつはっきりしない。
大仏のミニチュアや写真など「鎌倉にゆかりのあるものをもらうと日本に行ける」とか、
「鎌倉の大仏に祈ると願い事が叶う」などの「伝説」がある。

実際、日曜日に鎌倉に行くと跪いて大仏に祈っている人たちを見かける。その多くはミャンマー人だ。

ミャンマーに咲く桜

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↑↑↑チン州の村で出会った桜の花。

3位の『桜の花見』は意外だった。
質問したのがみんな日本語を習っている生徒なので、一般の人より日本の文化には詳しい。
それで、『桜の花見』という答えが出てきたのだろう。

ミャンマーでもシャン州やチン州などの山間部に行くと桜の花を見ることができる。
日本と違って花が開くのは最も涼しい12月から1月にかけてだ。

海外渡航のイメージは、働くところ>旅行先?

今回、生徒たちに質問するときに「日本に行くなら」と最初聞いたら、「えっ?研修生で?」というリアクションがあった。
一般のミャンマー人が日本の観光ビザを取るのはまだまだ難しい

それに、最近金持ちが増えたといっても、海外旅行に行けるほど余裕のある人たちはまだ少ない
海外というと、「旅行よりも働きに行くところ」というのが一般のミャンマー人たちのイメージだ。

(アジアクリック・ミャンマー担当/後藤)

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前回ご紹介したタイの人たちと比べて、日本について知っていること自体が違っていることもありそうですが、さすがに「富士山」はキラーコンテンツのようです!

『鎌倉の大仏』については、宗教という大きな影響を如実に表していますが、『奈良』ではなく『鎌倉』な所は、日本語学校の生徒さんということで、やや日本通なところが影響しているのでしょうか?

今回ご紹介した記事では少人数でのヒアリングでしたが、このように各国で生活されている方に、日本について知っていることや興味があることを聞いてみると、国や民族による違いが改めて見えてきます。

その違いを意識して、「日本の製品やサービスをどのような形で伝えればより良く理解してもらえるか、歓迎してもらえるか」を考える必要がありますが、本当に多種多様な国と民族が生活している東南アジアでは、「細かく」「こまめに」そして「地道に」調査をすることがいかに重要なのかの一端がわかる、貴重なレポートです!

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アジアクリックさんには、代表の高橋さんを初めとして、ASEAN10カ国に約20名いらっしゃる現地特派員さんが、現地に根差した情報収集と発信を行っており、各国の特徴を捉えた効果的なプロモーションやコミュニケーションを行うお手伝いをされています。

アプリそうけんでは今後も定期的に、アジアクリック様ご協力の元、ASEAN10カ国のソーシャルメディア、アプリ事情やビジネス活用事例を中心とした、現地特派員の方からの情報をお伝えし、ASEAN10カ国でのプロモーションを考える上でのヒントを得られるような場を作っていきます!

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photo credit: Jose Javier Martin Espartosa via photopin cc

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About the Author

研究員No.7110

都内の広告会社、株式会社アドフロンテのデジタルソリューション推進部にて営業を担当。スマートフォンやアプリ、ソーシャルメディアといったデジタルコミュニケーションを最適化するためのお手伝いをしています。 スマートフォンやアプリは、たくさんの人たちがその人なりに楽しんでいるはず。一方でそれでもまだまだ分かりにく、もしくはどんどん分かりにくいことも増えてしまっていると思います。 スマートフォンやアプリの世界は、誰もが楽しめる開かれた場所、「公園」のようなものであるべきだと考えています。 たくさんの人が気軽に入れて、みんなが楽しめる公園を目指して、日々前進するスマートフォンやアプリの世界について考え、発信していきます。





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