東南アジア onsen

Published on 5月 10th, 2014 | by 研究員No.7110

0

『温泉旅行』はマレーシア人観光客に人気がない!ーその理由とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今回から少しだけタイトルが変わりまして、
『東南アジアビジネス情報 from アジアクリック』

ASEAN10カ国にいらっしゃるアジアクリックの特派員の方からの、現地にいるからこその情報をピックアップしてご紹介しています。

今回は、マレーシア担当のシャフィックさんの記事

日本の観光地というと、定番として出てくるのが『温泉』ですよね。
でもその『温泉』は、マレーシアからの観光客の方にとっては人気がないということ。

なぜなのでしょうか??

--------------------------------------------

Selamat Petang! マレーシアのシャフィックです。

マレーシア人が日本に行くなら、ショッピング、富士山の登山、東京や京都の見物、桜やもみじを楽しむなどがほとんどの目的になります。

しかし残念ながら、日本の有名な温泉旅行はマレーシア人観光客にあまり人気がなさそうです。

今日はその理由についてご紹介します。

「格安航空会社×ビザ免除」で海外旅行へ行くマレーシア人が急増!

onsen_malaysia_01
 富士山の景色を楽しめる河口湖の近くにある温泉

4月の2週目、マレーシアの学校は一週間休みでした。
一週間の休みとは短いというものの、このような休みの時に家族と国内旅行や海外旅行に行く人は少なくありません。

特に最近の格安航空会社の急増とビザ免除ともに、日本も含めて海外旅行に行くマレーシア人の数が倍になりました。
目的としてはもちろんショッピング、有名スポット観光、グルメ、アクティビティなどです。

冒頭で述べたとおり、マレーシア人が日本に行くなら、ショッピング、富士山の登山、東京や京都の見物、桜やもみじを楽しむ…といった人が大多数です。
残念ながら、日本で有名な温泉旅行はマレーシア人観光客にあまり人気がなさそうです。

文化・宗教の違いで温泉が楽しめない!?

日本の全国の温泉へ家族や友達と一緒に泊まりに行く温泉旅行。
特に寒い時期に現地のグルメや景色を楽しみながら、温泉に入って疲れを癒すというこの旅行は、日本人の一つの文化なのでしょう。

ところが、マレーシアでは入浴という文化がなく、ほとんどの家でシャワーを浴びます。
そのため、温泉旅行は何が楽しいかは分からなくなります

それだけではなく、イスラムの教えで、他の人に体を見せてはいけません

ですから、マレーシアに限らず、ほとんどのイスラム教の国に温泉や銭湯の数がとても少ない。
あるとしても、裸ではなく水着で入ります

onsen_malaysia_02
 マレーシアのサバ州にあるポーリン温泉。水着を着用して入る。

面白い日本文化だから体験したい!そのために…

このようなことで、現状、マレーシア人の観光客は温泉旅行に興味がないと私は思っています。
私も日本にいる間、残念ですが1回しか行ったことがなく、しかも体を見せられないため、夜遅く一人でタオルのまま入ったことがあります。

onsen_malaysia_03
 東京にある銭湯。壁に富士山の絵が描かれています。

日本では、友達やパーティは銭湯から始まると私は聞いたことがあります。

我々外国人にとってすごく面白い文化なので、タオルのままで入ることかできる温泉があればいいなと思います。

そしてそれをイスラム教徒の観光客に紹介すれば、その文化を世界中にシェアーできるのではないかと思います。

(アジアクリック・マレーシア担当/シャフィック)

--------------------------------------------

外国からの観光客の方を誘致する際に、文化や言語の違いはもちろんですが、宗教は生活に非常に大きな影響を持っているだけに、しっかりと意識しておく必要があります。

日本は比較的宗教の違いを感じることが少ない国だと思いますが(むしろいろいろな宗教の“良いとこ取り”みたいなところがあるくらい)、やはり外国の方は宗教に対する意識がハッキリしていることが多いですから、いくら良さをアピールした所で全く受け入れられないということも考えられます。

しかし、やはり外国へ旅行に来ている時には、「出来るだけその国の文化に触れてみたい」という思いもありますから、宗教的なことを踏まえて、外国の方にも体験してもらえるような特別な時間や場所を作ることで、より多くの方に日本の良さを知ってもらい、呼び込むことも可能になるかもしれませんね。

--------------------------------------------

アジアクリックさんには、代表の高橋さんを初めとして、ASEAN10カ国に約20名いらっしゃる現地特派員さんが、現地に根差した情報収集と発信を行っており、各国の特徴を捉えた効果的なプロモーションやコミュニケーションを行うお手伝いをされています。

アプリそうけんでは今後も定期的に、アジアクリック様ご協力の元、ASEAN10カ国のソーシャルメディア、アプリ事情やビジネス活用事例を中心とした、現地特派員の方からの情報をお伝えし、ASEAN10カ国でのプロモーションを考える上でのヒントを得られるような場を作っていきます!

◆株式会社アジアクリック:http://asiaclick.jp/

◆『東南アジア特派員ビジネスレポート』:http://asiasns.jp/

Tags: , , , ,


About the Author

研究員No.7110

都内の広告会社、株式会社アドフロンテのデジタルソリューション推進部にて営業を担当。スマートフォンやアプリ、ソーシャルメディアといったデジタルコミュニケーションを最適化するためのお手伝いをしています。 スマートフォンやアプリは、たくさんの人たちがその人なりに楽しんでいるはず。一方でそれでもまだまだ分かりにく、もしくはどんどん分かりにくいことも増えてしまっていると思います。 スマートフォンやアプリの世界は、誰もが楽しめる開かれた場所、「公園」のようなものであるべきだと考えています。 たくさんの人が気軽に入れて、みんなが楽しめる公園を目指して、日々前進するスマートフォンやアプリの世界について考え、発信していきます。





Back to Top ↑