Published on 5月 17th, 2013 | by スマホ研究員11号
スタートアップ企業訪問 Vol.14 『FULLER株式会社』 Co-Founder副社長 高瀬さん
さて、今回は『ビックリバコ』の吉田さんからのご紹介で
『FULLER』の高瀬さんです。
高瀬さんは吉田さんと『未踏』を通じて知り合いになった方とのことです。
筑波大の出身で、つくば市からオフィスは最近引っ越しをしたばかり。
つくばエクスプレスに乗って守谷駅から徒歩1分のオフィスにお邪魔しました。
それでは、高瀬さん宜しくお願いします。
①起業背景
高瀬さん:
FULLERは2011年の6月頃から設立の準備を進め、設立したのは、2011年11月です。
僕を含めた創業メンバーの4人が、筑波大の出身者だったので、
つくば市で創業しました。それと、都内より落ち着いた環境で家賃が安い点も
考慮しました。
『未踏』では、Googleエンタープライズ部門の責任者である藤井さんなど、トップランナーで
活躍している人々と直接触れ合い、とても刺激を受けました。
応募のきかっけは、採択金額があるという点と、最先端で活躍する同年代の方の
刺激を受け合うことが出来ることでした。
おかげさまで、2011年『スマートフォンアプリ紹介システムの開発』が未踏に採択され採択され翌年リリースした『ぼく、スマホ』にも機能を組み込むことが出来ました。
②アプリ『ぼく、スマホ』について
高瀬さん:
先ず、マーケットについては、Androidに注力しています。今後のユーザー数の
広がりを予測して決めました。
それと、Androidユーザーが抱えている悩みが「バッテリーの持ちが悪い」という点です。
ユーザーが知っていれば、設定を変えれば済むのですが、
ほとんどの方が知らないのが、アプリの自動アップデート機能などでバッテリーが消耗してしまうことや、アンインストールの仕方が分からず余計なアプリを増やしてしまうなど。。。。
特に女性の初心者が、こういった悩みを抱えていることが分かりました。
『ぼく、スマホ』は、ユーザーにわかりやすくスマホの状態を伝えるためにスマホを『おじさん』に擬人化して表現しています。
おじさんの体調変化や、体重の増加(メタボ)などで、スマホの状態を
分かりやすく視覚化することで、スマホを健康な状態に保つことが出来ます。
おじさんを育成するゲーム感覚が、ユーザーに受けている点だと思います。
実は、試作段階のデザインはとてもクールでスタイリッシュなものでした。
ところが、リスニング調査をしたところ評価が思ったより低く
フレンドリーな方向性に転換しました。
UIの変更で女性ユーザーを中心に支持され、現在シリーズ累計約50万ダウンロードを
達成することが出来たのだと思います。
現在でもTwitterのフォロワーには、女子高生や主婦も多く、
新しい、おじキャラをリリースすると反応が返ってきます。
もう一つの特長は、レコメンドエンジンを加えて、更にユーザビリティを
上げていることです。
※協調フィルタリングからアプリをレコメンドさせる機能があります。
ユーザーの嗜好性を分析し、お薦めアプリを紹介することで
『ぼく。スマホ』の機能性アップに繋がっていると思います。
このレコメンドは、一部広告枠として販売することも考えています。
③海外展開について
高瀬さん:
FULLERは創業当初から、ロンドンVCなど海外からの資金調達を実現しています。
『ぼく、スマホ』についてもキャラクターを変え、ローカライズしたカタチで
『AppQuarium』というアプリを海外向けに展開しております。
今年の2月には、スペインバルセロナで行われた『MWC』に出展しました。
ここでは、BBCの取材を受けるなど、大きな成果があったと感じています。
その時の感触もとてもよく、海外での手応えを感じました
④副社長のTop画面を拝見
高瀬さん:
おすすめのアプリは『あぷり開発』です。
アプリを開発するシミュレーションゲームですが、
開発者目線で作られている点が、とてもユニークです。
時間があるときに遊んでいます(笑)
【取材後記】
都心から少し離れた守谷で、集団生活(昼・夜ご飯は当番制の自炊)をしながら
開発を行なっているFULLER。
社員の多くが高専出身者という、ハードもソフトも熟知した
メンバーが生み出すアプリは、おじさんというキャラクターに隠れて
いますが、精緻に計算されたプログラムのような感じがしました。
合宿所のような集団生活で、切磋琢磨し結束力を高める
会社の形態は、とても新鮮で独特です。
さて、次回は高瀬さんからのご紹介でプライムアゲインの阿部さんです。
お楽しみに。
【ぼく、スマホ】