Published on 4月 16th, 2013 | by 松村太郎
モバイル体験の変革が始まる – 最新アプリと、Facebook Homeと、普段の体験を見て
ここ数日、僕のGoogle+で少しずつ考えて来たことを、ひとまずまとめておこうと思います。
金曜日に発売となったFacebook Home搭載のスマートフォン、HTC Firstを見て以来、自分の手元にあるiPhone 5とは違うモバイル体験に対して、考えるようになりました。
ホームスクリーン下部から減るApple純正アプリ
そもそも、僕のiPhone 5のホームスクリーン、相変わらず大好きなコケの壁紙は変わらないのですが、良く使う画面下部に配置したアプリのラインアップから、一つずつ、AppleのiOSに始めから入っているアプリが減っていっているのです。ホーム画面の下に配置すると言うことは、指が届きやすく、頻度の多いアプリを意味しています。
最近メールはMailbox、カレンダーはSunrise、ブラウザはChromeと、最も良く使うアプリをApple製のアプリからリプレイスし定着しました。つまり、既存のものはもはや使いやすくはない、ということ。
MailboxはGmailが前提で、「Zero Inbox」を良しとするZenな感じは、思想的にはJobsっぽかったけれど、Dropboxに買収されちゃいましたね。1つずつスワイプするのが疲れるときもありますが、個人的には、むしろ進んでiPhoneでメールを見たくなった、という感覚は、新しいアプリに興奮していることがもたらす効果ではなさそう。
Sunriseに加えて、僕は日本語関係が上手くいかないから使っていないけれど、Tempoも、カレンダーアプリとしての新機軸。どちらかというと、きちんとカレンダーの情報のフィールドを埋めて、カレンダーアプリに自分の行動や関連するコミュニケーションをナビしてもらおうという考え方。もともと僕はToDoリストを作らず、自分のカレンダー上でタスクの時間を確保するスタイルだったので、とても理にかなった運用ができてます。Facebookやメール、マップの連携がきちんとできている点も便利。
Chromeは、ジェスチャー過多な感じはあるけれど、複数のタブを使いこなす感覚をきちんと体験できて、結局Safariよりも登場回数が増えてます。iOSに「デフォルトのブラウザ」という概念が内省で、アプリからURLを開くとSafariが開いてしまうので、ChromeとSafariとで併用している感じではありますけれども。
あと、これはベストな代替アプリがないんだけれど、電話帳は本当に何とかした方がいい。もっとクラウドやSNSに対応させて、iPhoneの中でちゃんと人の顔が見えるようにする「サービス」化を進めた方が良いんじゃないか、と。
ホーム画面も、これじゃなくていい
次のiOSにおいて、OSの顔があの「ホーム画面」のままでいいのか、というそもそも論もありますね。
このアイディアは、Facebook Homeを見てから思ったこと。Facebook Home自体は、Facebookフォンと言うには未完成過ぎて、おそらくMessengerアプリを導入して利用できるようになるChat Headの方が僕にとっては重宝しそうなのですが、それでも示唆を与えてくれました。
Facebook HomeはFacebookアプリを開かなくても友だちの写真にコメントや「いいね」のジェスチャーが示せる点で、スキマ時間にすぐにFacebookアプリを開いてしまう人にとってはかなりの手間の軽減になるんですよね。
あとはWindows Phoneの、全てを見渡せるタイル表示「Live Tile」もいい感じです。必要な情報が一覧できる点で「ホーム画面」あるいは「ポータル」としての性格をぞんぶんに発揮しているし、カスタマイズ可能な点も良いと思います。
こうした、機能的でユーザーの使い方にフィットするホーム画面のアイディアを見せられると、アプリ起動が全ての役割でしかないiOSのホームスクリーンは、シンプルではあれ、魅力的ではなくなっています。
ウィジェットと割り込みはモバイルらしさを作る
Chat Headは「意外と邪魔だ」という場面もあるのですが、断続的ながら絶え間なくコミュニケーションを交わすメッセージ文化においては、かなり合理的な体験を実現してくれているように思います。
というのも、今までiOSにしてもAndroidにしても、何かの作業中に着信したら、返信するためにはFacebook Messengerアプリに切り替えなければメッセージが打てなかったのですが、Chat Headなら今の動作に割り込んで返事を書いて、元の作業にスッと戻れます。
この使い勝手は、30〜90秒ごとにインタレストが変わるモバイル環境での行動には非常にフィットする考え方です。それを前提にしなければならないというのは、ゲームにしてもアプリにしても、開発者や企業からすると扱いにくい事この上ないのですが。
例えば、ウィジェットが割り込めるような仕組みをOSが持っていれば良い、あるいはiOSの場合、通知センターの中で何らかの情報や設定が編集できるようになれば、割り込みのちょっとした動作を済ませて、またブラインドをガラガラっと挙げて元の作業に戻ることができるようになりますよね。
iOSの次で進化してほしい所は通知センターのウィジェットだな、断然。今の所、TwitterとFacebookの投稿ボタン、株価、天気しか使ってないけど、アプリがこのスペースを使って機能の出先機関のようになると、良いですね。
そして、このウィジェットAPIが、iWatchにも表示されるとなれば、ユーザーにはかなりわかりやすくて、開発もしやすいんじゃないかな。ウエアラブルデバイスが増えたときのユーザー体験のシームレスな連結もイメージしやすくなるし、ホームスクリーンが今のままでもあまり気にならなくなる可能性すらあるわけで。
となると、iWatchは横480px、縦240pxみたいなサイズ感でウィジェットが動作する、そんなiWatchをイメージしてしまうのですが、それはちょっと想像が飛躍しすぎですね。いや、あるいは。