Published on 4月 9th, 2013 | by 松村太郎
気仙沼に残る船と期限付きの復興屋台村
テルテルコンシェルジュのサポートによる米国・カナダの著名ブロガーとの東北取材2日目。昨晩入った一関を朝早く出発して、気仙沼へ向かいました。
昨日から同行しているCaliさん、Johnさん、Yukariさん、徳本さんに加えて、ここからはこれまでも石巻を中心に復興活動をサポートしていた加藤康祐さん(@kosuk)が加わりました。そして、助けあいジャパン代表理事の野田祐機さん(@yuu_key)に、取材先のガイドと解説のサポートを頂きました。ありがとうございます。
写真はホテルの前での出発式。小雪の舞う寒い朝でした。特にCaliさん、Johnさん、Yukariさんは東北の前が沖縄の取材だったので、寒さもなおさらだったのではないか、と思います。
復興の課題を地域ごとに考える時期へ
被災地といっても、東北地方は南北に広く、また沿岸と内陸で状況も全く違います。まさに一関は内陸で、津波の被害はありませんが、これから向かうのは沿岸の津波被害のエリアです。
道中、野田さんに、震災から2年が過ぎた現状について質問をしました。今、どんな状況なのか、どんな課題があるのか、と言うことについて。
「被災地間でも状況は全く違いますし、その情報も分散してしまっていて、どこで、どんな支援が必要なのか、と言う情報も集まっていません。
また、2年が過ぎて、支援というフェイズからだんだんと産業を興しながら復興をするという新しい方法に取り組んでいかなければならないと思っています。こうした課題解決に、ネットの力をきちんと活用して行きたいと思います。デジタル活用で情報の整理と発信、産業創出に取り組めるかどうか、今年が勝負の年だと思います」(野田さん)
漂着した船と残る基礎、道端のコンビニ
気仙沼に入ると、急に何もない平らな土地が拡がり、目の前に大きな船が飛び込んで来ました。第十八共徳丸は津波で流され、内陸にぽつんとおかれている状態になっていました。それまでの景色と一変したことに、先ほどの野田さんの「地域によって全く違う」という意味を思い知らされたのです。
何も残っていないわけではありません。そこにあった家々の基礎は残されており、そこが誰の土地だったのかを知る唯一の手がかりのようにもなっています。船の周りには、Caliさん、Johnさん、Yukariさん、徳本さんらが立っており、クルマも見えますが、先ほどの「ぽつん」という表現を改めておいた方が良いほど、大きな爪痕でした。
この船は今後解体されるそうですが、それにも時間とお金がかかります。そしてこの土地が元通りの街になるかどうかは分かりません。
加藤さんと、曲がって不通となっている線路の土手から景色を立ち尽くしながら見ていて、ふと、コンビニエンスストアを見つけました。セブンイレブンです。片側1車線の道路脇に立てられたコンビニで、温かいコーヒーを買うことにしました。
店に行って、トビラが横開きになっていることで、プレハブだと気付きました。しかしそれぐらい、外からは普通のコンビニにしか見えない店構えで、プレハブだろうが何だろうが、モジュール化された店内を再現して営業できる「仕組み」に驚かされました。もちろん街の全てがモジュール化されているわけではないのですが。
復興屋台村気仙沼横町でインタビュー
気仙沼の港近くにある、こちらもプレハブの仮説横町、復興屋台村気仙沼横町の菊地幸江さんに、CaliとJohnがテルテルコンシェルジュを使ってインタビューをしました。津波の時にどうしていたか、元々のお店は?今後は?といった質問を投げかけていました。GEEKBEAT本編でも、この模様は流れると思います。
赤い提灯とたくさんの旗で、復興に取り組む街に元気を届ける、そんな印象を受けたこの屋台村ですが、津波対策の堤防を立てるエリアにかかっており、2年間の賃貸期間もあと半年あまりで契約満了となってしまうそうです。
各お店は、戻りつつある漁業と水産加工を生かした商品開発に取り組み、例えば、菊池さんは新鮮なワカメを、他のお店はカニやフカヒレのスープなどの商品を作って、通販で販売するといった取り組みを急いでいるところです。ここでも、野田さんが語る「次のフェイズ」の意味を理解することになりました。
ちなみにJohnのMacBook AirとiPadはHDMIケーブルで結ばれており、画面の中のオペレーターさんの映像を録画して後で組み合わせるそうです。こうした個ワザを実現できるガジェットを、Johnはカバン一杯に持っていました。一度、カバンの中身チェックをしたかったところではありますが。(続く)