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Published on 3月 6th, 2015 | by nkuwashima

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経費精算アプリ「Staple」を生み出した男・星川高志氏がスゴい(第四回)

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第三回のインタビューはこちら

経費精算アプリ「Staple」を開発した
クラウドキャスト株式会社の星川代表取締役へのインタビュー第四回
「Staple」の今後についてもお聞きしています。

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会計ソフトは世界中ガラパゴス状態?

フジタ:
現状のユーザー数はどれぐらいになりますでしょうか?

星川氏:
現在のユーザー数は1000社ほどで、ダウンロード数はその数倍です。
現在はiOSしか出していませんが、近日中にAndroidを出します。
iOSも先日大きいUI変更を行いました。
今、伸び率としては週次で平均10%、直近では50%以上です。広告はそれほど出していません。
まだ、そうしたフェーズではないと思っているので。オーガニックだけでそれだけ伸びている。
やはりコンシューマーがコンシューマーを運んできてくれているという感じですね。

フジタ:
今後の『Staple』のアップデートは先ほどお聞きしたのですが、
クラウドキャストとして他のアプリをリリースする予定はありますか?

星川氏:
プロダクティビティやビジネスコンシューマーが便利になるアプリはもちろん考えていますが、
経費精算という切り口で考えると、もう一つの面は出張側からの視点ですね。
今は、終了した業務を精算して立て替えしてということに注力しています。
こちらも多くのニーズがあるのですが今後は川下の方だけでなく川上の方にも全然市場があります。

そのちょっと手前にあるトラベル・出張にかかる費用の精算業務は僕らが携わりたいところですね。
T&E(Travel&Expensive)でいう「T」はまだやっていないところなので
そこは切り口としてはありますね。
開発は英語ベースで行っていますので日本だけに閉じられた話ではまったくないのです。

グローバルついでに話すと、会計システムがグローバルに展開すると相当苦労するのが、
グローバライズのところなんです。iOS/Android等のOS、Facebook等のコミュニケーションレイヤーとは違います。
その国の制度や商習慣が全然違うため、ローカリゼーションのコストがすごく高いのです。
アメリカで今ではIntuit(インテュイット)がガリバーですが、
彼らですらアメリカ以外の商圏には本格的に行けてません。
日本では弥生ですが、国内に集中しています。
西欧でもイギリスにはSage(セイジ)がいて…、
というふうに、どこもグローバライズできていないのです。

フジタ:
アメリカとイギリスという同じ英語圏であっても…。それは意外ですね。

星川氏:
英語圏であっても、です。それが会計ソフトの世界なのです。そのことに気づいたのは2011年で、
未だに誰も実現できていない。僕らが組んでいる弥生や
他のベンダーさんもこの高い壁を誰も突破できていない。
僕らは会計といっても経費精算の部分なので、
日本で弥生と組んでいるようにローカルの会計ソフトと組めば良い話なのです。
会計システムと経費精算システムの繋ぎは、その国のやり方があります。
その繋ぎ部分さえキチンとやっておけば僕たちの領域である経費精算のプロセスは
グローバライズしやすいです。また、専門性とナレッジから、ある程度参入障壁を保てます。
そこはピンポイントでプランして、1年以上前から投資して実行しています。
あと、技術的なところをどう横展開していくか考えていますね。

フジタ:
横展開というのは、さっきお話しされたローカリゼーションの話しではなく?

星川氏:
ローカリゼーション・グローバリゼーションもそうなのですが
今、僕らが持っているコアのテクノロジーですね。
たとえば先程話したデータの同期の仕組みを使って別のアプリが作れるのでは、
というような切り口の話しです。
弥生さんの関係で得られたテクノロジーやノウハウを、アプリに反映していく。
業務アプリのフロントエンド側はまだホワイトスペースがあります。

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第四回の連載インタビューはここまで。次回で残念ながら最終回となります。
「Staple」の予想以外な展開についてお聞きしています。

→最終回のインタビューはこちら


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