Published on 3月 3rd, 2015 | by nkuwashima
経費精算アプリ「Staple」を生み出した男・星川高志氏がスゴい(第一回)
皆さん、家計簿アプリ使ってますか?
最近ではレシートを撮影するだけで、中の人が文字入力してくれるのはもちろん、
ジャンル分けまでしてくれるアプリもあります。
家計簿アプリが登場してくれたおかげで、家計の収支を毎日簡単にチェックできるようになり、
「毎月の貯金額が増えた!」という方も多いのではないでしょうか?
では、経費精算アプリを使っている人はいますか?
こちらはまだあまりいないと思います。
家計簿アプリが飽和気味の今、さらにスマホを活用して生産性をあげるなら、
次は経費精算アプリです。
今回紹介する経費精算アプリ「Staple」は、
そんな「家計簿アプリ」の範囲の外である「経費精算」にあえて焦点を当てたアプリです。
会社経費の精算って面倒ですよね、でも「会社の決まりだから」ということで、
規定に沿って効率化を諦めがち。
ここに家計簿アプリとはまた違う、意外な市場があったってことです。
『既存の枠組みにとらわれない、新しい発想で世界を変革する「個」を応援します。』
この理念通り、個からの革命を起こそうとしているのが
ビジネスパーソン向け経費精算アプリ「Staple」です。
「Staple」の誕生秘話、今後の事業発展をどのように実現させていくのか。
クラウドキャスト株式会社の星川代表取締役と
広報担当の湯本さんにお話しをお伺いしました。
左:クラウドキャスト株式会社の星川代表取締役
右:広報担当の湯本さん
(インタビュー:フジタヨウジ 株式会社シーティーイー)
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弥生アプリコンテストでグランプリ獲得がきっかけで生まれた「Staple」
フジタ:
「Staple」を開発されたきっかけは?
星川氏:
もともとは自分の業務体験から来ています。
以前、マイクロソフトで働いていました。
マイクロソフトといえば言わずと知れた世界最大手のIT企業ですよね。
洗練されているイメージがありますので、間接業務は全て効率化されていると思ったのですが、
私が務めていた当時は、経費精算の際エクセルを出力して紙で提出していました。
非効率だな、と思いながらも、ここに気付いたってことはビジネスチャンスなのでは…
とずっと思い続けていたのです。
もう一つのきっかけは、弥生主催のアプリコンテストでグランプリを獲得したことです。
2011年末のことですが、財務会計を得意とする弥生を補完するフロントエンド、
という切り口で会計取引入力アプリ『bizNote』をコンテストで発表したのです。
その『bizNote』の一機能としてそのときから経費精算の計画はあり、その後開発を進めリリースしました。
その機能を切り分けてビジネスパーソン、法人向けのサービスとしたのが現在の『Staple』です。
フジタ:
それはすごく面白い話ですね。弥生さんのアプリコンテストに応募しなければ
「Staple」は生まれていなかったかもしれない、ということですね。
星川氏:
そうかもしれませんね。アプリコンテストの告知から締め切りまで
たしか2ヵ月ぐらいの期間しかなくて。それでも、アプリだけでなく、
ビジネスプランまで作りこみました。
そのころ僕はすでに「Money-Note」というコンシューマー向けの
家計簿アプリみたいなものをリリースしていました。
今でもストアに上がっていて、25万ダウンロードまで行ってます。
「Money-Note」をベースにして、コンテスト用に作りこみました。
だから他よりクオリティーが高かったのでしょうね。
…弥生との付き合いが本格化し、2013年に弥生からの出資を受けました。
現在、資本・業務提携をしている関係です。
経営層や開発の現場での信頼関係は相当大きくなっています。
経営サイドでは弥生の岡本社長自らが弊社の社外取締役として入って頂いています。
非常に学ぶものが多く、良い関係性を築けていると感じています。
弥生は125万社の導入実績がある会社。
「Staple」の潜在顧客がそこに多く存在していると考えています。
フジタ:
双方のニーズが合致しているということですね。
星川氏:
弥生さんは財務会計ソフトが得意中の得意ですし、
メインになるセグメントはスモールビジネスです。
20名以下企業の金額ベースのマーケットシェアで約80%を確保しています。
しかし、顧客とのタッチポイントは経営層と経理担当者になります。
経営層と経理担当者で1社あたり2~3名です。
我々はそれに加え経費精算をするビジネスパーソンや関わるスタッフ全てがお客様なので
タッチポイントを10倍以上に増やすことができるチャンスがあります。
また、お仕事を一緒にしているので分かるのですが弥生は非常に強い。
ただ、弥生のサービスはパッケージソフトとクラウドサービスに限定しているので
スマートフォンの切り口については僕らが担っている部分がありますね。
『Staple』以外にも弥生のスマホでのクラウドのサービスについては
私たちが携わっています。
―――まさにセレンディピティ、幸運を引き寄せてますね!
先ほどの開発動機の話しにもありましたが、かなり明確な動機があって
『Staple』が開発されたのですね。
たしかに経費精算は効率化の余地は沢山あるのに、
従来からのフローに固執してなかなか効率化できません。
星川社長は「非効率の塊」と表現されていました。
第二回では、「Staple」の現状について深く切り込みます。
→第二回のインタビューはこちら
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星川 高志
クラウドキャスト株式会社代表取締役
1972年生まれ。DEC (現HP) およびMicrosoftにおいて、
新規事業の立ち上げ、米国本社直属の開発部門、
同社初となる法人向けモバイルアプリ検証部門をリード。
オフショア開発のマネジメントを経験後、
SQL Serverの開発部門を統括。
2009年 青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科入学。
2011年 同大学院卒業 経営管理修士 (MBA)。
英国留学経験あり。
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