Published on 9月 4th, 2013 | by 杉山 拓也(すぎやま たくや)
iOSアプリで検索ワードごとのDL数を把握する 〜DL底上げTips〜
前回のリジェクトタイフーンを乗り越え、タイトルがAppleの審査を通過し始めて、一安心している高城です。
前回のコラム:『速報:AppStoreでタイトル審査、厳格化?! 〜ASO Tips〜』
ASOの一環でタイトルにキーワードを入れるアプリが増えているようで、色々と反響を頂きました。
(ご質問は、いつでもお気軽に!文末のプロフィールをご覧ください)
審査がある以上は、どうやってそれを通すか?に考えがいきがちですが、あくまで、ユーザーに見つけてもらいやすく、理解してもらいやすい端的なタイトルをつける、ことを意識するのが大事だと考えています。
今回は、iOSアプリで検索ワードごとのDL数を把握する方法について、触れてみます。
AppStoreでのASOはブラックボックスとの格闘 |
ご存知の通り、Appleの運営するAppStoreでは、キーワードごとの検索数も、検索からのDL数も知ることができません。
iOSとともにAndroidでもアプリを出している場合には、Androidで検索数が多く、コンバージョンの高いキーワードをiOSに採用するなどの手が使えます。
一方で、iOSのみでしかアプリをリリースしていない企業も多いようです。
この場合、少ない情報を元にASO施策を打っていくことになります。
キーワード選定でAppStoreから得られるデータを使うとすると、AppStoreでの検索時に表示されるレコメンド機能が意外と使えます。
例えばAppStoreで「写真」を検索すると、こんな表示が出てきます。
主に、ユーザーがどんなワードを複数ワード検索で探しているか?を知ることが出来るのですが、スクリーンショットのように「写真」というワードでは「コラージュ」「こらーじゅ」や、「落書き」「グリッド」などが同時に検索されていることがわかります。
もし、今Keywordsに入れていなければ、追加しておいた方がいいと思います。
キーワードごとの検索数を調べる |
では、費用対効果に結びつく、「キーワードごとのDL数」をどのように調べるか?
iOSのみでアプリをリリースしている場合にとっているのは、「キーワードを1つずつ減らして測定する」という方法です。
アプリのKeywordsは100バイトまで登録できます。
(タイトルのみにキーワードを盛り込んで、キーワードを増やす方法は、今回は無視して説明します)
例えば、15キーワード登録ができたとしたら、次回はそこから1ワード減らして14キーワードで審査に出します。
具体的には検索対象になる、Keywords、AppName、Descriptionsからキーワードを抜いて、バージョンアップをかけます。
バージョンアップ後、キーワードを1つ抜く前と、抜いた後の自然流入の平均値を比較します。
広告を出向している場合、広告からのコンバージョンを差し引いて、自然流入のみを測定するようにしますが、あまりに露出を頻繁に行っているアプリの場合、測定値がとりにくいのが難点ですが。
もし、キーワードを減らしてみて、自然流入からのDLの平均値に変化がなければ、外したワードはDLに貢献していなかった、ということになります。
逆に、DL数が下がった場合には、下がった数値がそのキーワードの持つDL数のポテンシャルとなります。
予算をお持ちのアプリ事業だと、多くの場合、検索からの自然流入(DL)数は広告での獲得ダウンロード数と比較すると非常に細かな数字になるのですが、概ね上のグラフのような変化が出てきます。
逆に、変化しなかったとしたら、そのキーワードに“価値はない”ということになるので、そのままキーワードから除外してしまいます。
結果の測定ができたところで、続けてキーワードを減らします。
今度は、14キーワードから13キーワードに減らします。
そして、同じように測定をします。
都度、審査を通さねばならないため、1ヶ月に測定出来て2回。
15キーワード全てを地道に測定すると半年以上かかってしまう計算になります。
そのため、実際の運用では、2キーワードずつ減らして行ったり、主要と思われるキーワード以外のワードを削減対象にしています。
目的は「ダウンロード数を稼げるキーワードを発見すること」「キーワードごとの日次ダウンロード数を把握すること」です。
100バイトという限りある文字数(資源)を最大限に活かすため、ダウンロードを稼いでいないキーワードは外してしまい、空いた文字数を、よりダウンロードを稼げるキーワード探しのために使う、というわけです。
ぶらっとAppStoreに立ち寄った人に発見してもらうために |
ちょうど、今日届いた「Web担ウィークリー 特別号」で、スマホアプリに関する調査データのホワイトペーパーが紹介されていました。
『無料アプリのダウンロードに関する調査』
(IT製品比較導入サイト ファインドイット)
内容については実際にダウンロードをしてご確認頂きたいのですが、サマリーに「ストアで無料アプリを探す際、6割以上は目的アプリがあることが多い」と紹介されています。
具体的には、目的のアプリが「ある」と明確に回答しているのは25%、残りはの75%は「どちらかというとある」か、あるいはどちらとも言えない、といった回答でした。
これは、意外と多くのユーザーがAppStoreにふらっと立ち寄って、カテゴリランキングやAppleからのおすすめをウィンドゥショッピングのように眺めているとも言えると思います。
当然、この中には検索でアプリを探している人もいます。
ASOコンサル開始前の実験段階で、実は「検索順位が上がってもダウンロードは増えるのだろうか?」という不安がありました。
実際には、キーワードを最適化し続けた結果、ダウンロード数はASO施策前の4.5倍にまで伸びたのでコンサルティングを開始したのですが。
AppStoreでのASOは費用対効果が見えづらい、と言われますが、だからこそ、「仮説」を立てて「実行」してみて「測定」し、その結果を元に「改善のための仮説」を立てるサイクルを確立したいものです。
かつ、できれば測定の段階で今回のようにキーワードごとのダウンロード数といった数値を測定、把握しておきたいところです。