コラム canayell

Published on 5月 22nd, 2014 | by 加藤 康祐

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『明日、ママがいない』でも話題になった、「児童養護施設」その退所者の奨学金を支援するカナエール – NPOの現場で活躍するアプリ

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昨年来、カナエールというプロジェクトをお手伝いしています。今年、日本テレビドラマ、『明日、ママがいない』がその描写などについて、議論になりました。その舞台となった、児童養護施設を退所した若者の進学から卒業までをサポートする奨学金支援プログラムがカナエールです。スピーチコンテストへの出場が、奨学金(一時金30万円、卒業まで月々3万円)の給付条件となります。児童養護施設の子どもたちの自立支援を行うNPO法人ブリッジフォースマイルが主催するカナエールは、2011年にスタートし、今年で4回目の開催を迎えます。

カナエール 夢スピーチ・コンテスト 2014

カナエールは、奨学金を提供するだけのプログラムではありません。奨学金の支給だけでは、本当のサポートにならないと、私たちブリッジフォースマイルは考えます。出場者である25人(東京10名、横浜10名、福岡5名)の児童養護施設出身の若者には、スピーチコンテストまでの120日間、1人に3人の社会人ボランティアがつきます。エンパワーチームと呼ばれる3人の大人が奨学候補生に伴走しながら、チームビルディングのための合宿、スピーチ原稿作成、本番までのスピーチトレーニングを行います。
スピーチを一緒に創り上げる仲間の存在を感じること、数百人の観客の前で、夢を語るという大きなチャレンジを乗り越えることで、自己肯定感、進学と夢への意欲を高めます。

こうしたNPOの現場をより円滑に行うためにも実はスマホ・アプリが活用されています。

Peatix
http://peatix.com/?lang=ja

イベント運営のためのツールとして、プレゼンスを得つつある、Peatix。航空券のEチケットを想像していただくとわかりやすいかも知れません。スマホアプリ、万が一、スマホがない場合は出力したQRコードを入場口で読み込むことで、簡単に入場管理ができます。「カナエール 夢スピーチ・コンテスト 2014」のチケット販売も、このPeatixを利用して行われています。Webサイトを入り口に、イベントへの参加をできるだけストレスなく行うことができるサービス。Peatixのサイトには「3人のワークショップから3万人のフェスまで」とありますが、その柔軟性も魅力の一つでしょう。

かざして募金 | サービス | モバイル | ソフトバンク
http://www.softbank.jp/mobile/service/kazashite-bokin/

こちらも簡単、スマホアプリで寄附ができるサービスです。寄付先のポスターやチラシにスマホをかざし、寄付金額を選択すると、携帯電話料金と一緒に支払いを行うことができます。アプリ経由で寄附ができるのもさることながら、このサービスの一番の特徴は、キャリアがおこなっているがゆえに、携帯電話料金と一緒に寄附金を支払うことができ、クレジットカード情報の入力が不要なことではないでしょうか。

ここで重要なこと

2つのサービスを例に上げましたが、ここで重要なのは、ユーザに取って、支払いが簡便になること。そしてそのことはユーザ側にとってだけではなく、運営側にもメリットがあるということです。例えば、ネットショップを想像してみてください。代金引換、銀行振込、クレジットカード決済。ユーザに取っての支払い方法が複数用意されているのは便利ですが、お店を運営側は入金の突き合わせなど、決済方法が複数化すれば、それだけ事務作業が煩雑になります。海外ではPayPalを代表例として、「きわめて一般的な決済の手段」というのが確立していますが、日本では特に寄附や社会貢献といった分野で、まだまだ活用されてない印象を受けます。

この個別事例への決済の簡便化というのは社会貢献の世界に限らず重要な課題だと思います。アプリではないですが、アプリそうけんで応援している「きっかけバス」の助けあいジャパンは、ソーシャル・クレジットカードを活用していますね。

また、アプリを介して情報が集積されていけば、その「状況」を随時把握しやすくなります。イベントだったら、集客の度合いが把握しやすくなりますし、寄附でしたら、どれくらい支援いただいているか把握しやすくなります。

NPOというのは小規模な事務局と、限られた時間協力するプロボノ、更にはサポーターの皆さんによって支えられていますから、可能なかぎり効率化した方が良い。そうやって合理化したオペレーションの上で、想定外や、特別なサポートが必要になった場合に、むしろきちんと対応できることの方が大事で、こうしたツールはより「エッセンシャルにやらなければならないことにきちんとコミットする」ための大事な武器だと思います。

今後も様々なアプリやサービスが、この分野で活用されていくと良いなと考えています。

冒頭のカナエール、明日、2014年5月23日(金)のJ-Waveの「TOKYO UNITED」THE HIDDEN STORYのコーナーで扱われるそうです。是非、お時間取れる方はチェックしてみてください。また『明日、ママがいない』を受けて、ブリッジフォースマイルが開催した「児童養護のホントのところ、を語るパネルディスカッション」の様子はリンク先、Togetterにまとめてくださってます。

今年のカナエールは東京(6/29)・横浜(7/6)・福岡(7/6)での三都市開催。是非、会場に足を運んで、児童養護施設を退所した若者の夢を、聴きに来てください。

 

カナエール 夢スピーチ・コンテスト 2014

コンテストに来てください。
観客席に座るあなたの存在が、力になります。

 


About the Author

加藤 康祐

プランナー、加藤 康祐、1980年生まれ。大学在学中の1998年よりデザイン会社にてWEBプランニングやWEBデザインを経験。2005年6月より個人事業、Experience Transportersをスタート。2012年11月、ET Incを設立。クライアントとパートナーとETが「やりたいことを、やりたいように、やり続ける」ための仕組みづくりに取り組む。





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