Published on 4月 28th, 2014 | by 加藤 康祐
イトナブ ナナのUX武者修行★5DAYS
こんにちは。
「一般社団法人イトナブ石巻」のグラフィックデザイナー、「ナナ(あだ名)」こと、太田サヤカです。
(なぜあだ名が「ナナ」なのかは置いておいて…。)
主にスマートフォンアプリや、webのデザインを手がけています。
この度ご縁があって、東京で5日間、
日替わりで講師の方が変わるというとても豪華な修行をさせていただきました。
勉強したのは、主に「UXデザイン」のことです。
名付けて「イトナブ ナナのUX武者修行★5DAYS」!
今回はそこで学んだことを綴らせていただきます。
【1日目】講師:加藤康祐さん(株式会社ET)
1日目に学んだことは、「情報整理」。
自分の頭の中に思い描いていることを、
A4の紙1枚にわかりやすくまとめる、という作業をしました。
お題は、「ナナがUXを学んだらイトナブはどう変わるか?」です。
最初に、
・自分がUXを学んだらどうなるのか?
・イトナブにUXデザイナーが加わったら、イトナブはどう変わるのか?
を考え、思ったことを紙にぶあーーっと書きました。
ぐちゃぐちゃです。
これを、他の人が見てもわかりやすいように、
加藤さんにアドバイスをいただきながらまとめました!
ちゃん。
私が思い描いているデザイナーの理想像は、
「想いやりのあるデザイナー」です。
私は、お客様への「想いやり」、そして職場の仲間への「想いやり」を、
大切にしながらデザインの仕事をしていきたいと思っています。
そのために、何をしていったら良いのか。
それを今回の修行で、学んでいきたいと思いました。
頭では考えていたのですが、こうして1枚の紙に書いてまとめると、
思いがどんどんクリアになっていくようで、
改めて、目標の再確認をできた日でした。
デザインをしていく上で、「情報の整理」というのは、
1番、基盤となるスキルだと教えてくださいました。
ロジックをキレイに組み立てていけるような土台をしっかりと持つためにも、
一度立ち止まって、自分の頭の中にあるものを整理して見つめ直すことが大切だということを、
学びました。
【2日目】講師:坂田一倫さん(株式会社コンセント)
2日目に学んだことは、「ユーザーへの想いやり」です。
坂田さんのいる株式会社コンセントは、「UX」を大切にしているデザイン会社です。
その日は、会社の理念や、そのためにやっていることなどを説明してくださいました。
コンセントは、「伝えるモノのデザイン」だけではなく、
「伝わるしくみのデザイン」を重要視し、
ユーザーにとって本当に「使いやすい」「楽しい」と思ってもらえるものを、追求しています。
そのために、
ユーザーの行動を洗い出すこと、
ユーザーの行動を整理すること、
ユーザーの行動から分析すること、
分析をもとに計画を立てること。
ここをしっかりと怠らずにやることが大切だと、教えてくださいました。
また、良いデザインをつくりあげていくには、「発見」そして「問題解決」のスキルが重要です。
これからのデザイナーは、「モノをつくること」だけに留まらず、
「UX」「サービス」「ビジネス」などにも目を向けて、デザイナーの領域を広げていくことが、
問題解決に繋がる大切なことだということを、学びました。
最後に、コンセントの社員のみなさんと、アイディアソンをさせていただきました。
テーマは「防災・減災×デザイン」。
今ある防災・減災に関する問題を考え、問題解決につながる「コト」のデザインを、
グループに分かれて、アイディアを出し合いました。
・伝書鳩を避難所に常設して、災害時の新しい連絡手段として取り入れたらどうか
・災害が起こったときの対処法を、教育のカリキュラムに入れてみてはどうか
・避難所に、災害時のマニュアルをしっかり置いておくべき
・まずは災害に関して興味をもってもらいたいので、イベントなどを定期的に開いてはどうか
様々な意見が出て、とても興味深かったです。
気付いたのは、どのグループも、「人々の習慣」というところに着目している、
というところです。
多彩なアイディアが出ましたが、
発見した問題の根本が、皆さん一致していたことに、感銘を受けました。
全員が、被災した人のことを想いやって考えてくれた結果だと思います。
「人を思いやる」その気持ちが、問題の解決につながる手段なのだと、
改めて実感することができました。
【3日目】講師:景山泰考さん(株式会社BREW)
3日目に学んだことは、「仲間への想いやり」です。
BREWのスタッフは、3人という少ない人数ですが、とても仲のいいメンバーで、和やかなムードの職場でした。
グリーティングカードの印刷のお手伝いと、
実際にある案件の、HPのワイヤーフレームの案出しをさせていただきましたが、
私1人だけではなくて、プロジェクトマネージャーの方と2人でやらせていただきました。
その方はデザインの経験は全くないのですが、
「他の仕事も知っておいた方が今後のためにもなるから」
という理由で、一緒に作業をしました。
グリーティングカードの印刷の作業も、ワイヤーフレームの案出しも、
お互い初めてで、ほぼ手探りの状態での作業だったのですが、
その分、
「こうやったら良くなるかな」「こういう工夫はどうだろう」と、
いつもよりたくさん考えながら取り組むことができました。
ワイヤーフレームの作業は、以前の職場では担当者が分けられていたのですが、
やってみて、「こんなにいろんなことを考えて作られていたんだな」
ということを知ることができました。
この作業をして、
「仲間のしている作業を理解する」ということはとても大切だといういことに気付きました。
自分のしている作業だけではなくて、その前後にどんな経緯があるのかを考えられるようになると、
デザインに提案力がつき、より良いものをつくっていけるということを、教えてくださいました。
BREWの職場の雰囲気がとても良いと感じたのは、
3人の仲が良いということだけではなくて、そこを大切にしているからじゃないかと思いました。
【4日目】講師:児玉哲彦さん(株式会社アトモスデザイン)
4日目で学んだことは、「クライアントへの想いやり」です。
この日は児玉さんのお仕事に、アシスタントとして着いていかせていただきました。
そこで、クライアントとの実際のやり取りを初めて体験することができたのですが、
やはりビジネスの場に立つと、デザインの知識だけでは通用しないということを痛感しました。
児玉さんは、この仕事をしていく上では、
数字のこと、ビジネスのこと、先を見据えて物事を考え、回り込みをすることが、
大事だと教えてくださいました。
どんなにいいデザインでも、売れなければ、人に見てもらえなければ、意味がありません。
いかにたくさんの人に使ってもらうか、そういうところも考えていけるようになることが大事だということを、
学びました。
クライアントとのやりとりを円滑にしてより良いものをつくっていくためにも、
そういうことろに強くなって、
クライアントが納得するような「説得力」と、「提案力」を身につけることが大事だと思いました。
そしてそれが、クライアントへの「想いやり」につながると感じました。
【イベント】Green drinks Yokohama
この日、1日目で講師をしてくださった加藤さんが企画に携わった、
「Green drinks Yokohama」というイベントがあったので、参加させていただきました。
そこで学んだことが、今回の武者修行の中でも大きな影響があったので、書かせていただきます。
2人の女性起業家の方の講演がありました。
「働きたくても働けない方」に「農業」を通して、働くきっかけを与える活動をしている、小島希世子さん。
「将来に不安を抱える児童養護施設の子どもたち」に、イベントなどを通して、不安を解消できるようなきっかけづくりをしている、林恵子さん。
人が目を背けがちな「社会の矛盾」に目を向け、
人に希望を持てるような「きっかけづくり」をしているこのお2人のお話に、とても感銘を受けました。
そして自分の今いる「イトナブ」も、共通することがあることに気付きました。
「イトナブ」は、被災地石巻の小学生~高校生の若者を対象に、アプリ開発を学ぶ環境をつくっています。
石巻は今、産業が少なく、
地元に残りたくても仕事がなくて市外に出て行ってしまう若者が多いという現状があります。
そこで、ITという産業を通して、子どもたちに「学ぶきっかけ」「夢を持つきっかけ」を与え、
子どもたちが石巻で希望を持てるような環境をつくるのが、私たちの目標です。
1つのきっかけで、たくさんの希望を生み出すことの素晴らしさに、改めて気付きました。
自分の今やっている仕事に、誇りを持って、
自分のできることを最大限に活かせるようにしたい。
そう心に強く決めた日でした。
【5日目】講師:迫田大地さん
5日目で学んだことは、「自分への想いやり」です。
この日は、これまでの修行で学んだことを振り返って、
学んだことや感じた事を、迫田さんにお話し、
そしてその会話を、「録音する」ということをしてくださいました。
「自分の話していることを客観的に聞く」というのが、目的だったそうです。
今まで1度も試みたことがないことだったので、とても貴重な体験でした。
自分の家に帰って、録音を聞いてみて、
「言いたいことがうまく言えていない自分」や、「考えていることが定まっていない自分」を、
発見することができました。
迫田さんは、
「人は、自分が思っているほど自分のことを知らない」
ということを教えてくださいました。
自分の思いをしっかり持てているか。
自分の思っていることを、ちゃんと言葉にできているか。
それは相手にちゃんと伝わっているのか。
周りは見えているか、自分本位にはなっていないか。
自分だけでは、わからないことというのはたくさんあります。
人に伝えるものを作っていく上で、自分を客観視して、「自分を知る」ということは、
とても大事だと思いました。
今回迫田さんとお話をして、
「人に話すことで初めて見えてくる自分」がいることに気付きました。
私は、思っていることをあまり口に出さないタイプだったのですが、
まずは、人と話して、自分の思っている事の再確認と、人から意見をもらうこと、
そして「もう1人の自分」をつくって、自分を客観視することを、これから心がけようと思いました。
自分を、知ってあげること。
「自分への想いやり」というのも、大事だと思いました。
そんなこんなで幕を閉じた、「イトナブ ナナのUX武者修行★5DAYS」。
これからの自分のデザイナーとしてのあり方を考える、貴重な5日間でした。
1日目にした「情報整理」を、最後に自分で、もう1度やりました。
・ナナが武者修行5日間で学んだこと
・ナナがイトナブで目指すデザイナー像
をまとめました!
修行を通して、いろいろな「想いやりのあり方」を知ることができました。
1日目に再確認した、自分の目指していたデザイナー像は、
「想いやりのあるデザイナー」でした。
修行を通して、いろいろな「想いやりのあり方」を知ることができました。
お客様への想いやり。
職場の仲間への想いやり。
クライアントへの想いやり。
自分への想いやり。
どれも本当に、大事にしていきたいと思いました。
自分の思い描いていた、
「想いやりのあるデザイン」「想いやりのある仕事の仕方」
は、どんな風にしていけば達成できるのかを、見いだすことができました。
そして「想いやりのあるデザイナー」から、
さらに発展して目指したい目標があります。
それは、「人の心を動かすデザイナー」です。
Green drinksのイベントで、2人の女性起業家のお話を聞いて、
「きっかけをつくる仕事」の素晴らしさを知りました。
その中で私は、自分のデザインの力を活かして、
人の心を動かすような、おもしろくてハッピーなものを作っていきたいと思いました。
「おもしろい」「楽しい」と思ってもらうことをきっかけに、
たくさんの人の心が、豊かになってほしいと思いました。
それが私の、目標です。
イトナブは石巻で、ITを通して、どんどんおもしろくなります。
小さなきっかけが、大きな希望を生み出します!
私はまだまだひよっこデザイナーですが、これからたくさん勉強して、
この目標を達成できるような、イトナブを支えていけるようなデザイナーになります!
今回ご協力いただいた、
加藤さん、坂田さん、コンセントの皆さん、景山さん、BREWの皆さん、児玉さん、迫田さん。
本当に、ありがとうございました。
皆さんから学んだことは、私に大きな変化をもたらしました。
これからさらに精進していけるように、日々、努力致します!
ありがとうございました!
一般社団法人イトナブ石巻 太田サヤカ(ナナ)