Published on 8月 6th, 2013 | by 杉山 拓也(すぎやま たくや)
アプリ詳細文研究 “料理写真系”の2本を分解! 〜DL底上げTips〜
ヤフーがドラッグ&ドロップでiOSとAndroidのアプリを作れる「Yahoo!アプリエンジン」を来月初旬から提供するそうですね。
スマホアプリをすぐに作れる「Yahoo!アプリエンジン」–9月初旬に提供(CNET Japan)
同様のサービスは「Monaca」(http://monaca.mobi/)が先行していますが、NTTドコモ・ベンチャーズの投資する株式会社ニューフォリアの「applican」(http://www.applican.com/)などノンプログラマーでも開発コストをかけずに参入できるサービスが次々登場しています。
こうした環境が整ってくれば、これからさらにアプリのリリース本数が増えていくことも予想されます。
さて、
前回はDECOPICやpapelookなどの500万ダウンロードを超える人気アプリのタイトルを、ASO的な視点から分析しました。
前回の記事:『激戦!「写真デコアプリ」タイトルから学ぶ – DL底上げTips02』
今回は、詳細文(Description)についてTipsをお届けします。
ちょっとASOから離れて、お料理写真系アプリの「SnapDish」と、「ミイル」の詳細文を事例に、詳細文にどんな内容を入れると効果的か?を考えます。
詳細文にキーワードを露骨に入れてしまうことの危険性 |
Descriptionは最大で4,000文字まで登録することができます。
また、Appleの公式ガイドでは冒頭580文字は「…More」で省略されない、と表記がありますが、これはPCのiTunesStoreのことで、iPhoneのAppStoreだとおよそ全角100文字(または5行以内)が省略されない範囲です。
また、同じく公式のデベロッパガイドには、「詳細文(Description)にはキーワードを含めてはいけない」と明記されています。
時々、詳細文の文末に「キーワード」や「間違えやすいタイトル」として、カンマ区切りでワードを並べているのを目にしますが、あまり露骨にキーワードを並べてしまうのは控えたほうがよさそうです。
実際、ASOコンサルをするなかで、詳細文にタイトルの読み間違いキーワードを何パターンも埋め込んだアプリもあったのですが、1〜2週間時間を置いてもAppStoreの検索には引っかからなかった、という事例もありました。
2アプリの詳細文を分析してみる |
では、早速お料理写真アプリ2つの詳細文を見てみます。
まずは「SnapDish」から。
分かりやすくするために、アプリの詳細文を内容別にセグメントしました。
SnapDishの詳細文は大きく分けて、「受賞歴やDL実績」「使いかた」「機能紹介(とキーワード埋め込みエリア)」「サポート情報」という4つの構成になっています。
冒頭から「AppStore 2012ベスト 認定アプリ」という受賞歴が。
続いて「90万人以上の料理好きな人達がダウンロードしています」という実績。
そしてまた、「おすすめ無料App」「スタッフのお気に入り」など、Store内でいかに取り上げられているか?を上手く見せています。
受賞歴を上手に使う |
マーケティングでは古くから「権威付け」が非常によく使われます。
・医師が開発した化粧品
・90%の歯科医がすすめています
・モンドセレクション最高金賞受賞
・○○(芸能人)も愛用
古典的な方法ですが、実際に効果があるから長く使われているのでしょう。
アプリで言うと、Appleによるおすすめや、AppStore内でのカテゴリ上位、ビジネスコンテストでの受賞歴などがよく使われています。
メディア掲載実績なども、「中立的なメディアが注目した」ということで、権威付けになります。
また、ダウンロード数は「ユーザーからの支持を獲得している事実」という、一番の権威付けかも知れません。
ユーザーの声を活用している「ミイル」 |
続いて「ミイル」です。
こちらも詳細文をざっくりと内容別セグメントで見える化してみました。
ミイルは、SnapDishのように、受賞歴やダウンロードなどの記載がありません。
その代わりに・・・
詳細文冒頭は、「ユーザーの声」を使っています。
(恐らく、ミイルも相当なダウンロード数や、メディア掲載実績を持っているとは思うのですが)
「びっくりするほど美味しそうに撮れました!」(20代/女性/学生)
「これで撮るとみんなに自慢したくなります!」(30代/男性/会社員)
「みんなから写真がうまくなったねと言われました!」(30代/女性/主婦)
(ミイルの詳細文より)
まるで通販・・・
ただ、SnapDishで活用していた、受賞歴、ダウンロード数と同じく、このユーザーの声も、第三者による客観的な意見という意味では権威付けの一つです。
本来、アプリの場合にはユーザーの声は、レビュー欄のコメントと星の数で表されるのですが、詳細分に入れていけないというルールはありません。
全くの作りばなしで無い限りは、ユーザー独自の活用方法などを盛り込む、というのはとてもいい手法だと思います。
ミイルの場合には、「美味しそうに撮れる」「自慢したくなる」「うまくなったと言われる」など、“こんなアプリなんですよ”というメッセージを伝えるために、ユーザーの声という形を借りて表現していると思われます。
受賞歴や、ダウンロード数がまだない、スタートしたばかりのアプリなどは、身近にいる友人やβテストユーザーなどにコメントを貰って紹介するのも有効そうです。
最後に ―まとめ |
詳細文では、第三者からの評価を効果的に使って「今売れています」という空気を演出する。
1.Appleのおすすめへの掲載実績、カテゴリ順位の実績
2.累計ダウンロード数(もしくは月間、週間、1日のダウンロード)
3.メディア掲載実績
4.お客様の声による演出
余談ですが、第三者の「権威」や「実績」を使うと、実際以上にその商品が魅力的に見える心理現象を“ハロー効果”と呼びます。
詳細文は、書くのが意外と面倒なので、何となく使いかたを書いて終わってしまいがちです。
一手間加えて、ダウンロードを底上げしましょう。
ASO施策をしたときには、検索順位のチェックもお忘れなく。
AppStore内検索順位表示サービス「AppSEO」