Published on 2月 26th, 2013 | by 加藤 康祐
アプリと「石巻の高校生」
石巻にイトナブというプロジェクトがあります。
「石巻の次世代を担う若者を対象に、ウェブデザインやソフトウェア開発を学ぶ為の拠点が「イトナブ石巻」です。「イトナブ」とは「IT」+「営む」+「学ぶ」を合わせた造語です。地域産業×ITという観点から雇用促進、職業訓練ができる環境づくりを目指しています。」
昨年11月、フリービット株式会社の児玉哲彦さん、フリーランスUXデザイナーの迫田大地さんを講師に迎え、イトナブと連携して、「UX X Talk 高校生のためのUXの授業」と題して、Google Hangoutを利用した、イトナブに通う石巻工業高校の生徒さんに向けた授業を行い、それをパブリックにストリーム配信しました。
モチベーションとインセンティブ – 高校生のためのUXの授業 : kosukekato.com
年末、東京で打ち上げを行い、その席で年明け石巻に高校生たちに会いに行こうという話になりまして、皆さん忙しい中、時間を調整いただいて、2月2日と3日の2日間、短い機会ではありましたが、石巻を訪問し、石巻工業高校の生徒さんとランチを食べながら色々な話をして来ました。
イトナブのテーブルを囲んで、アプリの実演をしたり、開発について情報交換したり、これからの目標をそれぞれ語ってもらったり。とても実りのあるものでした。高校生たちは、昨年のアプリ甲子園の決勝戦にも出場しており、アプリ甲子園のページにその模様が掲載されています。
最近、動き回りながら話していると気付くのですが、普通の大人に今回のことを話すと、そもそも「高校生がスマホアプリの開発に取り組んでいる」こと自体が驚きなんだそうです。そうですよね、僕の同世代としても、高校生でパソコンを触り始めたくらいでしたから、スマホアプリを開発している、というのは結構衝撃なのかも知れません。
ただ、勿論、そこにはイトナブを初めとした環境というものがあって。僕らが2日に石巻に入った時も(僕らが高校生と会ったのは3日)、前日、イトナブでは東北Tech道場というプログラムが行われていました。業界の第一線で活躍するエンジニアの方が、イトナブのテーブルを囲んで開発について教えていて、それを高校生たちが食い入るように、しかし和やかに聞き入っているのが印象的でした。あと、児玉さんは前職の仲間と石巻で再会を果たすという嬉しいハプニングも。
モチベーションのあるところにインセンティブを働かせるのは楽しい。当たり前のことですが、とても大事なことだと思います。勿論、石巻の高校生だけが特別じゃないと思う。ただ、やる気のある高校生がいて、その周囲に良い大人たちがいて、僕らに思いを繋いでくれた、若い世代にコミットする理由は、そんなことで充分なのではないでしょうか。
その2日間の様子はビデオにまとめてあります。石巻、雄勝、荒浜と被災地を見て、高校生と会食して、地元の人にヘンプ・アクセサリーのワークショップをする、という2日間でした。
今年の春卒業する高校生も、大学に進んだり、社会人になったり、いずれ今の自分と同じ年齢を迎える。その時、彼らはアプリ開発を続けているのか、どうなのか。そういうことも含めて楽しみなんです。