コラム con

Published on 1月 23rd, 2013 | by 加藤 康祐

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アプリと「コンシェルジュ」

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コンシェルジュ、って一口に言っても、色々なところにいますよね。一番わかり易いのはホテルでしょうか。先日伺ったコワーキングスペースの受付の方もコンシェルジュでしたし、色々なところにそういう役割の人がおられます。

ワンコイン検診ってご存知ですか?500円で簡単な健康診断が受けられるサービスです。特に生活習慣病の予防などには、手軽に自分の健康状態をチェックできるサービスがあるのはありがたいです。よく、駅などに1,000円で髪を切ってくれるお店がありますが、ちょっとした空き時間を自分の健康のために使うというのは良さそうです。

僕のようなフリーランスとしての働き方をしていると、会社での定期的な健康診断のようなものはなく、更に言えば、人間ドックを定期的に受けるというのも、費用的にも時間的にも敷居が高く(大事ですよ)、もう少し細目に短いスパンで、ある意味ではカジュアルに、最低限必要な項目をチェックできるというのは、これからの時代の働き方とも親和性が高そうです。

少し辛い話になりますが、震災の時、文字通り現地の人の駆け込み寺になっていたお寺のお坊さんが、日々多くの人の悩みを打ち明けられていて、ある日、まいってしまった、という話を友人のお坊さんから聞きました。友人はそういうお坊さんにも何らかのケアとそのケアを継続する仕組み作りが必要だと言っていました。でも残念ながらお坊さんは全国各地にいる。新しいケアを行うにも、なかなかどうして全国にその仕組みを張り巡らせることは、なかなか一筋縄では行かなさそうです。

そういう時にアプリの果たせる役割はないか。

普通に考えると、アプリのサービスにプロフェッショナルを定常的に介在させることはコストが嵩んでビジネスとしての採算が合わなそうです。よっぽど知識をマニュアル化したり、プログラム化することによって、「人を都度介在させない」ようにしないと、軌道に乗らなそう。

一方で、既にプロフェッショナルが介在することが不可避なものを起点に考えてみると。例えば対面での検診、もしくはカウンセリング的な物、他にも企業での研修、プライベートレッスン、そういうものには、既に大きなコストが発生しています。プロフェッショナルの人件費って高いんです。それにクライアントにも移動コストや時間拘束が発生します。そういう時にアプリを介することで、それは対面で1対1で対応することと比べれば甚だ不完全なことかも知れないですけど、先に挙げた、ワンコイン検診のように、「少し細目に短いスパンで、ある意味ではカジュアルに、最低限必要な」サービスが享受できたら。それは今あるプロフェッショナルが関わるビジネスよりは、より採算性の高いビジネスの設計になるかも。

案外、そういうものを狭い日本で実用化して、広い世界に持って行ったら。より海外進出を考える際のレバレッジ効くのかも知れませんね。


About the Author

加藤 康祐

プランナー、加藤 康祐、1980年生まれ。大学在学中の1998年よりデザイン会社にてWEBプランニングやWEBデザインを経験。2005年6月より個人事業、Experience Transportersをスタート。2012年11月、ET Incを設立。クライアントとパートナーとETが「やりたいことを、やりたいように、やり続ける」ための仕組みづくりに取り組む。





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