Published on 2月 27th, 2015 | by nkuwashima
デンマーク発ボランティアアプリ『Be My Eyes』とは
目の見えない視覚障害者にとっては、日々の生活で困ったことがあるはず。
ただし、現実問題としては、私などは視覚障害者で大変なことは分かっていても
具体的にどのようなことで困っているかは分からないものです。
その悩みを少しでも具体的に解決していこうということで、デンマークの視覚障害者協会が支援、
新興企業『Robocat』が協力して開発したアプリが『Be My Eyes』。
『Be My Eyes』は、iosに搭載されている画面読み上げ機能『VoiceOver』を利用。
サービスに登録した視覚障害者が困ったことが起こった時にアプリを起動して助けが欲しいと呼び掛けると
それに気づいたボランティア登録者が協力を申し出ます。
マッチングするとビデオチャットで視覚障害者とボランティア登録者が会話を通じて
困ったことを解決していきます。
このアプリを紹介した動画にある例だと冷蔵庫にあったミルクの賞味期限を知りたい。
そんな時はミルクのパッケージの写真を撮って『Be My Eyes』にアップします。
それを見たボランティア登録者が賞味期限が切れていることをVoiceOver機能で
視覚障害者に教えてあげることで、怪しいミルクを飲むことはありませんでした。
また、動画では駅構内で迷った視覚障害者が、周りの景色をアップして
道案内をしてもらうといったことも紹介されています。
ボランティア協力者が15万人以上、視覚障害者の方の登録が1.5万人
このアプリが使われた件数が5万件以上とボランティアの輪は確実に大きくなっています。
アプリは基本的には英語ですが、アプリ内の設定言語を日本語にすれば、
日本語での助けを求めている場合にはボランティアとして協力することができます。
現在はiOSの機能を使っているため、Android版などは予定されていませんが
ソースはGitHubで公開されており、開発希望者は連絡してほしいと呼びかけられています。
『Be My Eyes』は無償で運営されていますが、2015年9月に資金がショートしていまう見込みで
その後はサブスクリプションモデルあるいは寄付による継続を検討しているようです。
その人が困ったときにアプリを介して他の人に協力していく。
アプリが人と人をつなぐ機能を果たしています。
もっと広がって、それがインフラのように必要不可欠なものに成長してほしいです。