Published on 2月 24th, 2013 | by 加藤 康祐
アプリと「防災」
備えあれば憂いなし、って言いますけど、震災以降、少し自分のスマホに入れておくアプリを見直した方も多いんじゃないでしょうか。必ずしも防災と生活が有事と無事で切り分けられているわけではないので、地震情報アプリとゴミ出しアプリが同じフォルダでごっちゃになっちゃってたりするのですが。
震災のそれこそ2日後くらいに作ったマッシュアップサービスがあって、駅情報検索という、駅名に基づいて、Twitterやブログ記事、後は当時稼動していた安否情報確認サービスから情報をAPIでもらって来て、PCやスマホに表示するというもの。これは元々被災地というより、首都圏の交通が混乱していたので、その状況を運行情報以外の口コミ情報ベースで移動中の人が探せたら何か役に立つのではないかと作ったものです。今でも、台風や大雪の時などに知り合いが使ってくれています。
もうすぐ東日本大震災から2年が経ちますが、その間、色々な試みがなされてきたことはアプリを見てもわかるように思います。
防災速報 -地震,雨,津波をプッシュ通知-
震災時帰宅支援マップ首都圏版2012-13
また、NIED(防災科学技術研究所)という独立行政法人が提供するJ-SHISというアプリもユニークです。J-SHIS Mapは地理的な「揺れやすさ」や、蓄積されたデータ、その推移を、日本全国250m四方単位で確認できるサービスで、アプリではそのデータが今いる場所で参照できるようになっています。現在いる地点の「揺れやすさ」の情報も、その場で参照できるわけです。
J-SHIS
少しずつ防災への意識だけではなく、ツールの整備が急速に進んできていると思っていて、ただ危惧しているのは、どうしてもアプリは「単機能」になりがちなんですよね。1組織が集積できる情報は限られてしまうし、道具というアプリの性質上、どうしても単機能の方が、その利便性をアピールしやすい。
けれども、僕らが痛感したのは、一つ一つのバラバラとして機能ではなく、実際に防災に必要なのは、よりアクティビティの導線となる「フロー」で、100の便利な機能を100社が用意しても、有事にその全てを活用するのは難しいですから、それが何かしらの形でアグリゲートされていったり、より使いやすい形でユーザが常用している一般的なアプリに組み込まれていくことが、今後の課題かなとも考えています。
もうすぐ2年。アプリと防災の次のフェイズを考える時期に来ているのかも知れません。