Published on 1月 30th, 2013 | by 加藤 康祐
アプリと「兵馬俑」
以前、友人が中国旅行に行った時の、世界遺産にもなっている兵馬俑の写真というのを見せてもらいました。それは主に歴史の教科書で見るもので、例えば万里の長城のようなものと同じ、中国のスケールの大きさの象徴、みたいなイメージを持ってましたけど、写真で感じるより大きくて、どれも同じ顔ではないそうです。
その感覚はどこかで覚えた気がありました。デジャヴというか。最近はたと思い出したのですが、それは新国立美術館に国展を観に行った時のこと。色々面白かったのですが、彫刻部門を見ていた時に、所狭しと人の形をした彫刻作品が並んでいて、それは何か迷路に迷い込んだような感覚で、都会の雑踏で人酔いする感覚に近かった気がします(実際ちょっと酔いました)。
先日、横浜美術館で行われている「ロバート・キャパ / ゲルダ・タロー 二人の写真家」というのに行きました。とても良い展示でした。内容については割愛しますが、平日の空いている美術館というのはとても贅沢。ここで言う贅沢って、一つ一つの作品にじっくり時間をかけられるから贅沢ってことでは僕の場合ないんですね。むしろ、時に足早に、時にのっそりと、自分の好きなペースで作品を眺める。巻き戻ししたり早送りしたりしながら、その作品世界に没入していく。そういうある種の没入感、みたいなものが、美術館の醍醐味ではないかと思いますし、そういうのは贅沢です。残念ながら、美術館って混んでいることの方が多いですが。
そういう、たくさんのものを、自分のペースで見る、というのはある種とてもインターネット的で、贅沢なことだと思います。
今日は何の話を書きたかったかというと、写真共有サービスのことを書きたかったんです。写真をネットにアップして共有する、のが写真共有サービスですが、一方で広大な展示室であり画廊であり美術館でもあると思います。
僕が一番良く使っているのはInstagramでしょう。日常の些細な風景もフィルタをかけたりぼかしを入れたりフレームをつけたりして「絵になる」。写真そのものというより、雰囲気とか、空気感とか、かっこよさとか、かわいさが伝わりやすいサービスですね。
また、僕が一眼レフで撮影した写真のメインで使っているのがFlickr。FlickrはProアカウントを取得していて、日々使っている他、InstagramからもFlickrに投稿しているので、人に何かの写真を見せたい、という時は、大抵Flickrアプリを使うことになります。また、Flickrは色々な人を発見できるのも面白いですね。例えば、Irina Troitskayaさんというロシアのイラストレーターさんは、とてもユニークなマトリョーシカをデザインされていて、Flickrで見つけてブログも楽しみにしています。Flickrを利用する時はMobile Fotosを利用することが多いです。
Mobile Fotos
最後に、最近使っているのが500px。これは友人の写真家とも話していたのですが、どういうフィルタリングを行っているのかわからないのですが、とにかく表示される写真のクオリティが高い。僕は隙間時間に写真を眺めたいなあと思ったら、大抵、500pxを見ています。500pxは写真家のためのプラットフォームなので、写真データの販売が可能になっているのも特徴ですね。最近、アプリがリリースされましたが、UIもかっこ良いので、ぜひ触ってみてください。
500px
こう言ったアプリを使って、たくさんのものを自分のペースで鑑賞するのは、とても贅沢な時間だと思うんですよね。同じものは、兵馬俑と同じで、一つとしてないので。